近年の製造業では、より精密で多様な加工が求められるようになってきました。そんな中で注目されているのが「メタルボンド工具」と「ダイヤモンド電着工具」です。
どちらも硬い材料を加工するときの頼れる味方なのですが、「結局どう違うの?」「どっちを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、メタルボンド工具の基本から始まって、電着工具との使い分け、そしてあなたの加工に最適な工具選びのポイントまで、分かりやすくお話しします。また、両方の技術を持つ呉英製作所ならではのオーダーメイド工具の魅力についてもご紹介します。
→カスタム工具のご相談はこちらメタルボンド工具は、金属(主に銅・スズ・コバルトなど)の粉末を焼結して砥粒(主にダイヤモンドやCBN)を固定する構造の切削工具です。砥粒が複数層にわたりボンド材に埋め込まれており、使用中に砥粒が摩耗しても次の砥粒が露出して持続的な切削が可能です。
主な特徴
適した加工対象
ダイヤモンド電着工具は、ニッケルメッキなどの電解作用によりダイヤモンド砥粒を工具表面に直接固着する構造です。単層で砥粒が突出しており、初期の切れ味に非常に優れています。
主な特徴
適した加工対象
特徴 | メタルボンド工具 | ダイヤモンド電着工具 |
---|---|---|
構造 | 焼結による多層構造 | メッキによる単層構造 |
砥粒保持力 | 非常に高い | 中程度 |
初期切削性能 | やや劣る | 非常に高い |
加工寿命 | 長い | 短め |
コスト | 高め | 低コスト |
納期 | 中長期 | 短納期対応可 |
加工精度 | 高精度 | 中精度(初期重視) |
推奨用途 | 精密仕上げ、難削材加工 | 粗加工、コスト重視現場 |
どちらの工具も優れた性能を有していますが、用途に応じた選定が加工品質を大きく左右します。
加工精度を重視するなら「メタルボンド工具」
コストと納期を重視するなら「電着工具」
呉英製作所では、メタルボンド工具とダイヤモンド電着工具の両方を社内一貫体制で設計・製作可能です。お客様の加工ニーズに応じた最適な工具を、材料選定・形状設計・用途提案の段階から技術支援いたします。
単に「どちらかの技術しかできない」ではなく、お客様の加工条件・ワーク材質・予算・納期を総合的に評価したうえで、最適な工法を提案できます。
単なるボンド・電着だけでなく、レーザーカット、ショットブラスト処理、焼入れなどを組み合わせた「複合加工型工具」のご提案も可能です。
「メタルボンド工具」と「ダイヤモンド電着工具」は、それぞれに異なる強みを持つ工具です。高精度加工・耐久性を求めるならメタルボンド工具、短納期・低コストでの切削なら電着工具が適しています。
呉英製作所では、これら2つの技術を社内で完結できる体制を整えており、お客様の加工ニーズに合わせた完全カスタム工具の提案が可能です。
カスタム工具についてお気軽にご相談ください。
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